No reason コカコーラ的な
朝もはよから、肝っ玉母ちゃんは幼稚園児を叩き起こし、準備をさせる。お弁当も作ったりしていた。僕はそれを横目に用意して、ちょこんと座って待っていた。目の前におにぎりとお味噌汁がデデン!と出てくる。「食べんしゃい。残りはお昼に食べたらいいわ」。ありがとうございますとお礼を言って「僕、特別な料理とか高級なものって別にいらなくて、一番好きなのは手料理とかお弁当なんすよね」と話す。僕はいつも、色んな人に聞いてみる事がある。『最後の晩餐は何を食べたい?』と。やっぱり皆それぞれの答えが返ってくる。一番の好物を言う人もいれば、日本人なら白飯でおにぎり(これ結構多い)とか色々。で、そうすると自分の答えも大抵話す感じになるので、いつも自分が言うのは「ただの米炊くだけでも何でも良いから、母親の手料理」。なんか本当にそれが一番好きな気がする。それ言うとみんな大体「あぁ~~、確かに。自分もそうかも」って言う。とにかく『手料理』が好き。おばあちゃんとか恋人が作ってくれるのはむっちゃ好き。友人知人が作ってくれるのも何か感動する。そこには想いも作ってる姿も感謝も食べてる所を見られるのとかもあって、結局それ全部感じて、食べてると本当に旨い。昔はそんなこと一切思わんかったし、コンビニの弁当意外と旨いなぁとか、洒落た所で食う珍しいもん旨いなぁとか、果物の梨最高に旨い!とか思ってたけど、それは最後に食べたいものにはならない。誰かと一緒に食べるご飯の方が美味しいとか、感謝して食べなさいとかよく言うけど、こういう事か~ってよく思う。手料理を美味しく頂いたら、幼稚園へ行く前に僕を新山口駅まで送ってくださった。女手1つで子供を育てるのって大変やと思うけど、頑張ってください。また、マクド行きます。ありがとうございました明美さん。
その後は、道や流れていく車を見てダイレクトに秋吉台へ向かっている車は無いと判断し、バスで現地まで。結構遠いし山の中にあるのだ。バスの中に恐らく大阪の方から来たらしいカップルがマスクをして乗っていた。うわぁ…すげぇなやっぱと思っていたら、途中雨が降ってきた。あぁ…まぁ秋芳洞の鍾乳洞入ってたら止むやろと楽観。40分ほどで現地に到着。バスセンターみたいな所でデカイカバンを預け、まずは秋芳洞へ向かう。若干寂れつつある商店街の様な所を抜けていくのだが、そこで運命の出会いが!!それは人ではなくお土産。今までの人生の中で一・二位を争う衝撃が自分の中にあった…大げさか(笑)。「安富屋」というお店にある『梨あん餅!!』これは人類最強の旨さです。この店にしか置いてないねんけど、簡単に言うと梨風味のあんこにお餅が包まれているもの。いや、ほんまそのままやけど、試食を一口。梨の香味と品の良い甘さが口の中に適度なざらつきと共に広がり、日本人で嫌いな人おらんやろっていう餅の食感でもって味わう。試食は最高の味と香りを引き出すため、ちょっと冷やされたもの。もう堪らん。。。関西の赤福というお土産があるけど、ヤバイで。商品開発しなこら負けるで。と焦りすら覚えた。お金ないのにこれは誰かに送ろうかと真剣に考えた。まっ、結局誰にも送れなかったんですけども。
口の中が幸せなまま、秋芳洞へ。割引を使っても1000円。たかっ!!と思ったのは最初だけ。今までいくつか鍾乳洞に入ったが、No.1のスケール。デカッ!ヒロッ!独特の温湿感と共に味わう神秘感。洞内は暗く、照らされたライトでデコボコした壁や、自然の産物が陰影を持って自分を包み込む。匂いはいつもあるような無いような、少し粉っぽさもあるような感じ。空気はひんやりとしていて、音が響くのに静かな印象。特別天然記念物になっている秋芳洞の中は一年中17℃で、変化しないらしい。かなり適温だと思うが、高い湿度の為、回っていると適度に汗が出てくる。ウェブアルバムを見てもらった方が色々伝わると思うのでそれ以外の事は省略。
「秋芳洞」を抜けて、山の上の方へ登っていくと「秋吉台」に出る。秋吉台は日本最大の石灰岩大地でその広さは130平方km。全て歩き回るのは不可能な広大さ。視界にも収まりきらんくらいやと思う(かなりの曇り空やったから視界悪くて見えなかった)。適度な散策コースがあって、そこを回ると白い石灰岩がドンドンと立っている草原を楽しめる。ドライブウェイもあるようで、きっと車で走ると気持ちいい奇勝だろうなと思った。とにかく広いので、ただそれが気持ち良い。普通なら緑の大地が広がるだけの所に白いモノがある違和感は不思議。春夏秋冬全シーズン楽しめるらしいので確実にまた行きたい。というかここにもう一度行きたいのは景色のことだけじゃない。また、ありがたい出会いがあったから。
秋吉台は結構寒くて、曇っていた。今日一日はこの雲はどかんだろうという感じだったが、自分は晴れ男だと信じて晴れ上がるのを待っていた。けど、中々晴れない。。。そこで体がむちゃんこ冷えてきたので、そばのお土産店「展望荘」へ。ちょっと風邪引いてしまうなということで、あったまるラーメンを注文して食べた。その店には恐らくパートのお母さん達が数人いた。「どこから来たの?」など普通の会話が当然の如く始まる。自分の事やら旅の事やら話したら、「何?プーなん?ちゃんと働きなさい」ってちょっと怒られたけど、まだ何も伝わって無いからだと思い、信念やら活動の経緯やらを熱を持って説明。もちろんそれだけじゃなく冗談言ったりしながら。そしたら、お母さん達はやっぱり心配になったらしく、何かしてあげたいとワナワナ動いたり考えはじめる。お腹の足しにしなさいと、お土産の残りを沢山貰った。家に泊めてあげられないかしらとか、次の所まで連れてってあげられないかしらとか話しながら、お客さんやら他の従業員さんに日本一周してる子がいると僕の事を一気に紹介し始める。「助けてあげて、乗っけてあげて」みたいな事を言いながら。自分が営業しなくても最強の営業部隊がそこに結成され、自然とヒッチハイクが出来てしまった。白羽の矢が立ったのは、お土産の卸会社の営業で来ていた、50代位の優しい男性。雰囲気はウド鈴木に似ていた。お母さん達に「この人良い人だから乗せてくれるよ。会社戻るでしょ?連れてってあげて。良かったね~」と何も返事していないのに決まった。「え…本当にいいんですか?」と聞いたら「良いよ。会社の方までだけどね」と嫌な顔1つせず言ってくれた。結果、山口駅まで乗せてって下さって非常に助かった。この「展望荘」の話の中で、お母さん達は何度も、「親御さんは心配してないの?お陰様よ、感謝しなさいね。周りで助けてくれる人にも感謝を忘れずに」と言っていた。何度も何度も言うので、いつもの感謝の倍以上、その事について考えられたし、意識できた。また、絶対にくると約束した。車が山口駅に向かいはじめると、接客もあるだろうにわざわざお店の前まで出てきてくれて最後まで満面の笑顔で手を振ってくれていた。この展望荘は是非行って欲しい所です。本当にいい人達がいます。しかも、秋芳洞へ行く前にここでお土産を買って、割引券があるか聞くと無料券(1200円相当)が貰えるかも!知れません。良い事ばかりです。
山口駅に着いたら、次の動きや金額を色々調べる。防府という所へ行けば、知り合いの方のご紹介で髪を切ってもらえるという話があったが、色々あって結果お断りさせて頂き、別の案(方角が違う、津和野へ行く)を考えた。しかし、時間が結構夕方と遅くなっていたので、今日は山口で野宿しようとブラブラ歩き回る。youmeタウンというショッピングモールでPC作業をしたりして、閉店時間近くなってきたので良いポイントを探しに回る。寝れそうな所がないなぁ~、駅は閉まるしと思っていたらおじいちゃんから電話。
「元気にやっとんか?」
「うん、元気にやってるで」
「今どこにおるんや?」
「山口県の山口」
こんな感じで、数日に一度連絡をくれる。もしくは、日記の内容でヤバそうな内容が書いてる時とか。今、おじいちゃんの楽しみは僕がアップする日記やら写真やら、ルートやらを確認したりすることらしい。内容などに一喜一憂している様子も電話の感じで受けて取れる。あばあちゃんからもそういう風に聞いている。それは僕としても凄く嬉しい事だ。元々ホームページを作ったのは色んな目的があって、その中でもやっぱり、両親や祖父母、知り合いに自分の安否を、やってる事を伝えるというのがあった。それはある意味では上手くいっているみたいだ。一方で不特定多数の人に楽しんで貰えるようにする為にも、身内や知り合いに知られるのは恥ずかしい事も書いたりしている。それに、嘘は書かない事を自分との約束にしているので、危ない事や起こってしまったハプニングもしっかりと書く。なので余計心配されるなんて事も起こってしまう。
「で、今日はどこに泊まるんや?」
あぁ、、やっぱり聞かれた、、と思いながら「うぅ~ん、、、野宿かな」と答える。
「野宿は、危ないからな、どっかちゃんと泊まり」
「うぅん、、、でもまぁ、ねぇ。。。いや大丈夫やで」僕なりの事情もある。まぁ簡単に言うと金銭面とプライド、やってみたい事という問題やけど。
こんなやり取りを何回も繰り返したりしている。何度大丈夫だと言っても、やっぱり心配な様で、そこはおじいちゃんもおばあちゃんも折れない。旅で出会った人にも誰一人もれず同じ事を言われている。おばあちゃんから、「お願いやから、どこかにちゃんと泊まって」と心の底からのトーンで言われた時には、胸がズキンと痛んだ。
「泊まるくらいのお金は出したげるやんか」と祖父母。「いやいや、それはイイよ!」というやり取りも何度も繰り返している。「ご厚意を受けれる事があれば、それはその時にありがたく受ければ良いやないの。ホンマに無理はせんといて」と祖父母。「あぁ、、、うぅ…じゃあ、判った。今日はネットカフェ見かけたからそこで寝るわ」と僕。最後に念を押すかのように、ほなちゃんと泊まるんやぞとおじいちゃんが言った。「次の日記も楽しみにしてるけど、無理はせんようにな」と。
僕は実は何度も、この旅で色んな人に聞いてみたりしている。おじいちゃんやおばあちゃんと同じ立場の人にこの一連の事を聞いても、皆やっぱり答えは一緒だった。それは無償の愛だからとか、やってあげたい気持ちばかりが溢れるとか、どうしても心配だとか、、、それだけ沢山の事を聞いているし、実際にこれだけ頻繁にやり取りが繰り返されたりしてるから自分もおじいちゃんやおばあちゃんの気持ちは痛いほど判る。それに、おじいちゃんやおばあちゃんの立場ではない人達も全く同じ事を言ってくる人ばかり。だとすればそれはやっぱり正しい意見なんだろうなと思う。一方で自分が思い描くものもある。その刷り合わせが上手くいかない。狭間で色々と揺れる。悶々とした気持ちのまま、その日はインターネットカフェで眠った。その日、日記を書く事は出来ず、mixiにだけざっくりと心情を吐露した。
まぁ、この日記もおじいちゃんおばあちゃん見てるわけやけど嘘は書かずに正直に物事を書き記すというのが自分との約束なので載せます(笑)タイムラグがあるから今これを書いている現状(5/27)とは大分違うのだけれど、この時はこんな事を考えていました。今は自分なりの整理がついています。その変遷はまた次の日記で。
◎撮影ボランティア:本日27名/旅でのトータル512名
◎代弁ボランティア:本日0名/旅でのトータル4名
【涙は心のスイッチ 米田真介】
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